まんけん!~漫画研究部~

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漫画背景描き方

漫画を描きたいけど背景ってどうやって描いたら良いのかちんぷんかんぷんな初心者も数多くいることでしょう。

 

私もそんな一人でした。

(未だに上手く描けないのは置いておいて)

 

デジタルが主流になった昨今、様々な手段があり

初心者はどうすれば良いのかわからず混乱するんですよね(体験談)

 

そこで今回の記事ではデジタル作画においてどのような手段があるのか解説していこうと思います。

自分に合った方法を見つけるお役に立てれば幸いです。

 

自分でゼロから描く 

 まずアナログ、デジタル共通して言える事ですが白紙の原稿に自分で描いていきます。

 

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シンプルかつ究極の方法ですね。

風景も、部屋も、小道具も、好きな世界を何でも構築出来る代わりに難しいし忍耐力もいります。

正直これ一択で漫画は描けるので難しく考えないで背景極めていくのもアリ、というか必須ですね。

 

下の画像が私の初めて描いた漫画の原稿なのですが(アナログ)

背後にアスファルトの巨大な壁が建っちゃってますね。

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今見ると一発でおかしいところが分かるのですが初心者の頃は地平線がどこにあるのか本当にわからない。

透視図法の習得が必要になってくるので背景技法書等で勉強してみて下さい。

 

背景データCD-ROMを使う

続いての方法は背景データを使用する事です。

  

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こちらはクリップスタジオ収録のものですが世の中には商用利用OKの背景データが販売されています。

これらの背景データを使うにあたってメリットデメリットを説明しますね。

 

メリット

  • 作画がお手軽で速い
  • クオリティの高い画面になる
  • 同人誌なら全く問題ない

 デメリット

  • 他人と被る
  • 構図に応用が利かない
  • 作風と背景が合わない事がある
  • 手書きのクオリティと落差が生まれる
  • 商業誌、プロの原稿ではまず使えない

 出版社の編集部員の方には使うなって言われますね。

同人誌、趣味でやる分には全く問題ないと思います。

様々なシチュエーションの背景データがあるので探してみるのも良いかもしれません。

 

トレース(写真)

これはアナログでも当たり前の手法ですが背景資料様に自分の足で歩き回って写真を撮りトレース台という光る台で原稿を透かして写真を上からなぞる形で写していく、プロが普通に行っている手法です。

これがデジタル作画ではもっと楽に出来ます。

写真をPCに送って原稿の上に設置、透明度を上げて透かせばあとはそれをなぞるだけです。

 

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 これがトレースですが正直言って私もファンタジーものばかり描いていたのでトレースをほとんどした事がなく不慣れなのでめちゃくちゃ緻密に描いてしまいました。

やりすぎるとキャラが浮く、作画に時間がかかりすぎるという事がわかりましたね。

悪い例として参考にして下さい。ちなみに右のコマは左のコマのコピーペーストに足りない部分を加筆したものです。

アナログでもコピーを切り張りして出来ない事はないですがコピペが容易な事がデジタル作画の大きな利点ですね。

 

3Dオブジェクトを使用する

クリップスタジオなど描画ソフトには3Dオブジェクトが収納されています。

その種類は小物、乗り物、建物等様々です。

 

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 こちらの3Dオブジェクトは360度回転させる事が出来、拡大縮小も自由自在。

更には透視図法のパースガイドもオンにする事が出来るので「パースが狂う」なんて事故も防げます。

 

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こちらが3Dオブジェクトを参考にしながら描いたシーンですね。

あくまで手書きですがこの3Dオブジェクトをそのまま白黒原稿に変換して使う方法もあります。上のスクリーンショットの通り3D感が残ってしまうので胡散臭い原稿になってしまってあまりお勧めは出来ませんが・・・ 

ライン抽出

これぞデジタルの真骨頂とでもいうべき機能かもしれません。

写真を原稿の上にセットしてライン抽出というボタンを押すと大まかにモノクロの線画を抽出してくれます。

トレースに比べてボタンひとつで線画が8割方完成です。

問題も多々あって通行人等人が多い場所では一緒に線画になってしまうので背景としてはそのまま使えません。

色の閾値で白と黒を判定しているので余計な黒ベタになってしまう部分も出てきます。

その為原稿として使える様に加工作業が必要になってくる訳です。 

 

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この右上のコマがライン抽出ですが道路の汚いボツボツや通行人の顔等を消し、企業名なども権利に引っ掛かりそうなところは改変してあります。

建物にはトーン処理をしてあります。

ベタ等は足りないなと思ったらお好みで足してもらって完成です。

 

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余計な所は消し足りない所は加筆しベタを入れトーンを入れ大分加工に時間がかかりました。

というかライン抽出しても遠景だからかかなり線画が薄く大部分加筆しているのでトレースとの中間の様な作業になってしまいましたが。

 

 

ということで今回紹介する背景の描き方は以上になります。

いかがでしたでしょうか?

初心者の方は背景を描くイメージが掴めましたか?

私は長いこと漫画仲間もおらず右も左もわからない状態から手探りでやってきましたが

苦労して手に入れた知識があなたのお役に立てたのなら嬉しく思います。

 

今回例に挙げさせてもらったショットですが

 

今までに得た全ての知識技術を駆使して完成させる

 

をコンセプトに制作した読切になっておりますので紹介した手段は全て使っていますね。

お時間ある方はこちらも是非読んで頂けたら幸いです。

 

 

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